どんぐり戦争は負け戦?
事務所で初雪を観測し、その後も暖かい日はあるものの、もうすっかり冬がはじまってしまった気持ちです。とはいえ、事務所は名残のどんぐり戦争です。
トツン、カタン、カツン。
どんぐりが落ちる音が庭に響きます。それにしても昨年よりずいぶんと多いような…?詳しい人に聞いたら、「そこまでどんぐりがなるというのは健康な木ですね」と。そういわれると、どんぐり戦争がつらくって…なんて言えない。庭木が健康で、そんなすばらしいことはないですから。
しかし、どんぐり戦争です。
どんぐりを形成するのは道路際に伸びる3本の大木。大半が庭に落ちるのですが、隣接する公道にも、もちろん落ちます。通った車がどんぐりに出会い、次々と轢いていく。道は、「どんぐり粉」だらけ。
「粉だし、土に還るでしょ!(そもそもどんぐりだし)」
正直、そう思っている自分もいるのですが、道路はアスファルトだし、どんぐり粉にまみれた道路の醜いことも気にかかる。不毛感を否めないまま道路を掃いていると、近所の方が通りかかって、「大変だねえ」と。ついつい、「はい…もうやってもやっても…」と言ったものの、そこはご近所関係。「とはいえ、やらないよりやったほうがいいですもんね」というと、「そうねえ、あんまりあれだからねえ」と。やっぱりそうですよね、「いいわよ、土に還るわよ」という言葉を待っていたなんて言えません。
そして掃く。
1日あければまた積もるどんぐり粉。また掃く、また積もる。全部を回収することなんてとてもできない、たぶん、お向かいさんが片付けてくださってくれているものもたくさんあるはず。うーん。どんぐり戦争は負け戦である。しかも最初からわかっている負け戦。
それでも掃く。
なんでかなあと自問すると、負け戦なんだけど、終わらないわけではないから。そして、負けっぱなしだけど、掃いたあとの爽快感は確かにあるから。かなりのデトックスを享受しているようにも思う。そう考えると負けでもないのか? いや、よそさまに迷惑かけているし…そんなどうでもいいことをあれこれ考えながら掃いていると、1時間なんてあっという間に過ぎていく。
そんなわけで、初雪も観測し、わが事務所のどんぐり戦争は、今年もわたしの負け戦で終了しそう。のどかに見えるかもしれませんが、悩みです。まあ…のどかではありますが。
写真は、どんぐり戦争の次にやってくる裏庭の落ち葉戦争の予兆。…戦争っていうからいけないのかな。(緒)