信州そばについて(少し)考える


 
秋も深まるなか、今年も信州そば品評会へ。審査員として参加して3回目となるこの品評会。次の5部門、119品を審査します。
 
第1部 そば粉70%以上の乾そば
第2部 そば粉40〜70%の乾そば
第3部 そば粉70%以上の半生そば
第4部 そば粉40%以上の生そば
第5部 そば粉30%以上の新規の麺製品で新規性を有するもの
 
審査するのは見た目と食味。食味もつゆをつけずにひと筋ふた筋を口に含み、確認して吐器へ。初めての審査会のときのとまどいといったら。でも比べていくとなんとなくわかってくるものですね。わかった気になっているだけの可能性も否定できませんが、あくまで「評価の基準はあくまで個人の好みに従ってください」と留意事項にあるので、良いのだと思います。
  
こちらの審査会、62回を数えるのですが、40年前のことをご存知の審査員の方がいらして、「昔は審査に向けて特別なそばをつくる。それじゃあ消費者にとって意味がないといって担当者らがスーパーに並んでいるものを買って回って審査したこともありました」というお話が飛び出したり。そして、その頃よりも格段に味も、香りも、そして色もすばらしいものになっているそう。
去年のブログでも書きましたが、本当にあなどることなかれ、乾そば、です。生そばは半生そばは、乾そばに比べるとちょっと気になる点もありますが、それでも去年よりも、一昨年よりも進化していると感じます。

ちなみに信州そばとは、1997年に長野県信州そば協同組合の登録商標として登録されたそうで、そば粉を40%以上配合した干しそばを指すのだとか。
40%以上…というのが少ないのか、多いのか。そもそもこの基準てなんだろう。そう考えてしまうと難しい話になっていきますが、しかし味わいでみると、70%以上使っているものに劣らない40〜70%配合のそばが多くありました。喉越しなども含めたトータルで考えれば、個人的には40〜70&配合の方がいいものも数多く。確かに、手打ちそばだって、わたしは十割よりも二八の方が好き。
となると、信州そばの定義は、そば粉だけではなくつなぎに使うものについてなどプラスαの基準があってもいいのかもしれないとも思ったり。でも、今回の審査会にも、関係団体が5つくらい参加されているし、きっと調整は難しいのだろうなと推察されます。生産者にも、消費者にとってプラスのなるかたちになっていけばいいなとぼんやりと思う夕暮れ時です。(緒)