月遅れの七夕に向けて
月遅れの季節が根づく信州では、七夕も月遅れの8月7日です。理にかなっていると思うのは7月7日はまだまだ、まだまだ梅雨だから。雲の上で織姫と彦星は出会えているかもしれないけれど、やっぱり、地上から見たら…と思うところです。
そんなことを思っていた7月5日、打ち合わせのために長野市街地にバスで出かけ、終わったのは夕暮れ前。当初バスで帰ろうかと思っていたものの、まだ明るいしということで徒歩で帰ることに。その帰路の中間ちょい手前に位置するのが善光寺さん。暗くなっても24時間、門戸が開いているのが善光寺さんのすてきなところです。微妙な時間だったので本堂にはあがれませんでしたけれど、本堂正面でこんにちはと挨拶だけして通りすぎて裏口へ。その裏口へ抜ける参道沿いにあったのが、七夕飾りでした。
そこに書いてあったのは「この七夕飾りは、月遅れ8月7日まで行います」の文字。
ここのところ仕事でちょうど松本の七夕人形の由来について調べていたのですが、そこで仏教との興味つながりが出てきていたので、ふむふむと思って近寄ると、「七夕といえば…織姫、彦星が有名ですが仏教とも関わりは深く、盂蘭盆会などが習合したものと考えられています。そもそも、七夕は〝棚幡〟とも書き、そのいわれは、故人をお迎えする精霊棚とその棚に安置する幡を供えることが由縁です。現在でも、お盆行事の一部とされています。」との説明文。やはりあるのですね、仏教とのつながり。面白い!
天の川は三途の川なのか、となると織姫と彦星は死者と生者の逢瀬なのか、それこそイザナミとイザナギなのか。調べはじめると面白い。正解はないのかもしれないけれど、思いを馳せるのは自由。8月1日は佐久地方ではお墓参りがあって、8月初旬には七夕があって、8月半ばにはお盆。もう少し知りたくなるお話です。調べると、今はもうない郷土出版社(松本市)から出ている書籍があるよう。すごいな、郷土出版。
やはり文字で残すことは、とても大事。テーマがおじさんぽいと言われても、姿勢が押し付けがましいといわれても、やっぱり自分が大事だと思うことは、きちんと言葉で残していけたらいいと思います。(緒)