赤テント
日曜の夜、唐組の公演を観に、城山公園へ。さてと玄関を出た瞬間に劇的な豪雨。唐組の日はいつも雨だなあ。重くなった腰をあげるべく、長靴を履いて準備万端で城山へ。
毎度思いますが、城山公園に張られた赤テントはかっこいい。出迎えてくれる演者の空気もこそばゆい感じもするけれどうきうきする。地元箱清水町のみなさんが屋台でおもてなしする心意気もかっこいい。そして、ナノグラフィカのたまちゃんやガレリア表参道の石川さんの繰り返しみればわかってくるから!という言葉につられて、ここ数年、長野の公演には足を運んでいますが、演劇も唐十郎も、正直言って未知。
久しぶりにこんなに大きな音を、しかもたくさん聴いたというのが第一の感想。日々、どれだけ静かな環境に生きているかを思い知らされた時間。そして、あの若者が、演劇の世界に足を踏み入れたきっかけはなんなのかと思いをめぐらす。合間を縫って、たまちゃんやガレリア表参道の石川さんを魅了するものを一生懸命探す。そういうことをしているから、純粋に心で分かり得なくてだめなのかなあとも思う。そんなもやもやを抱えつつも、今回、唐組の写真集を出版された清水さんの写真が、城山公園の芝生の上に、雨に濡れながら展示されている風景はとてもすてきな風景だったなあ。
そんな模索のなか、エンディングで感じた爽快感。ああ、よかった、これが観れてよかったと、そう思ったのはうそではないと思うのです。そういえば、前回も最後まで観て、おんなじように思った気がする。そしてこれも毎度思うことなのですが、同じ演目を、同じ演者や違う演者、同じ場所や違う場所でまた観てみたい、そう思う。そう思うのであれば実践すればいいのに、腰はまだ少し重いまま。(緒)