まるで千本ノックのような毎日がようやくひと段落したと思ったら、もう6月も半ば過ぎ。2019年の半分がすでに過ぎ去ろうとしていることに、すっと体温がひく思いです。
　
千本ノックは「ジョブキッズしんしゅう」という企画の冊子づくり。ジョブキッズしんしゅうとは、富山県で行われている「ジョブキッズとやま」の信州版。夏休み期間中に、小学生が県内の企業に出かけて仕事体験をするというもので、テレビ信州さんが企画している催しです。いとぐちではチラシ2種と子どもたちが会社に持っていく「おしごと手帳」を制作させていただきました。
　
つぎつぎと参加企業からあがってくる原稿や校正が、その都度、担当のお兄さんからメールでやってくる毎日。ああ、営業企画ってこういう感じだったなあ…と会社員時代を思い出しながら遠い目をしている間に、積もっていく新着メール。なんとか無事校了を迎えて、あとは子どもたちが予約してくれるのを待つばかり。
　
デザインはOTTO&Aの滝澤優子さん、イラストはシブサワデザインの渋沢恵美さん。色数を抑え気味にしたイラストと全体のデザインで、子ども向けとはいえ比較的シックな手帳やチラシになったのでは…。
そんな仕事をしながら思い出していたのは、県庁の広報印刷物を一式で受託するプロポーザルをやっていたときのこと。1回目のプロポーザルのとき、編集長がプレゼンで「子どもたちに正しいデザインを」と。色の洪水のデザインでは、美しい感性は磨かれないと。その年の仕事は、1案件1色のみでつくるという試みをしたっけ。
　
ジョブキッズしんしゅう。結局、選ぶのはお母さんやお父さんだったとしても、少しでも子どもたちの目に触れるものに美しいデザインがあればと思いながらの仕事でした。しかし…印刷所への入稿は済ませたものの、ほかの仕事でも原稿にルビを振ってしまう、職業病のような状況です。ふー。（緒）