ようこそ!ナガノシードルの世界へ
何回かこちらにも書きましたが、昨年の夏すぎくらいから制作を進めてきた、長野県が発行するシードルの小冊子が納品になりました。生産者はもちろん、たくさんのみなさんのお力添えがあって、読み応え、見応えのある冊子に仕上がったのではないかと思っています。ありがとうございました。
この仕事、いとぐちとしてはめずらしく、プロポーザルで代理店さんと組んだお仕事です。小さな小さな事務所ですので、体力的にプロポーザルに参加することはちょっと難しいと思っています。かつ、どこかでいとぐちの仕事を見て気に入ってくださって声をかけていただく、そんなきっかけでつながれることがとてつもなくうれしいので、滅多なことではプロポーザルには参加していません。クラインアントと直でお仕事したいので、滅多なことで代理店さんと組むこともありません。
そんなこと言っていると10年後には仕事がないんじゃないかという弱気もむくむくしますが、仕事をするうえでとても大切なことのひとつが精神衛生の健全さだと思っているので、脳が制止する仕事は(今のところ)無理をしないようにしたいと思っています。
さて、では今回。
塚田さんの旦那さんでかつ元同僚で、代理店に勤める友人の安斎くん(長い)に口説いてもらったのと、いつもお付き合いのある長野県の日本酒・ワイン振興室のお仕事だったことと、お仕事で関わっているNAGANO WINEに深く関わってくること、今の長野県のシードルシーンがあまりに面白そうだったからということ。そんな理由で今に至ります。
全くまとまった情報がなかった長野県のシードル。どこがつくっているのか、どこが委託しているのか、未知を掘り起こすのは楽しくもあり大変でもあり。結局、委託醸造を含めて、この冊子で合計73社のご紹介をすることになりました。ワイナリーが現時点で46軒です。そう考えると73は衝撃的な数字です。日本酒の酒蔵と同じくらいです。(重ねて言いますが、シードルの軒数は委託醸造も含んでいます)
自分が生きるのと同時代に新しい産業が劇的に育まれる瞬間を意識的に目の当たりにすることは、とても貴重な経験だと思いました。大好きな小説家が生きて新作を生み出す瞬間を心待ちにできるように。
さあ、せっかくつくった冊子、がんがんと使ってほしい。そして、撮影に協力いただいたシードルが山のようにある。シードルフェアを開かなければと思う春。(緒)
撮 影|平松マキ(一部、平松写真事務所)
英 文|竹内招子
イラスト|高城晃(高城デザイン事務所)
デザイン|滝澤優子(OTTO&A)
編集執筆|山口美緒(編集室いとぐち)
監 修|小野司(一般社団法人日本シードルマスター協会)
進行管理|安斎高志(ながのアド・ビューロ)
発 行|長野県