白い器に会いに

 
 
ホテルメトロポリタン長野の2階の回廊の展示スペースに、日本酒、ワイン、工芸作品の展示をしています。トドロキデザインさんのお仕事のお手伝い。3ヵ月に1度の入れ替えで、その都度、テーマを設けて日本酒、ワイン、工芸作品を選んで展示しています。
 
昨年12月から今年の2月までとなる現在の展示のテーマは「神」。
信州の冬は神の存在をとても近しく感じるように思うから。今朝の大雪の風景も、あらゆる音を吸い込んでどこまでも神聖な気配でした。
 
そして3月からの展示のテーマは「白」。
春の訪れに注ぐ光のもと、雪が融け、せせらぎの水が増し、草や木が芽吹きはじめるそのときのまっさらな空気。それは、未だなにものにも汚されず、染まらない白のイメージです。
 
そんなわけで、白の器を求めて安曇野の陶芸家、藤田千絵子さんをお訪ねしました。雲母を混ぜ込んだ土で焼いた新作の白い器のほか、釉薬違いの磁器など、何種類もの白がありました(黒と茶色の器もあります)。お話しながら、30ほどを在庫から選び、ほかいくつか新しいものもつくっていただけることに。楽しみ。展示は3月1日から5月31日までです。
 
それにしても、初めてお会いする藤田さんは春の展示にふさわしく、陽だまりのような人でした。(緒)