古い家に暮らすということ
今日もやはり仕事が納まっているのかいなのかはさておき、29日に家具職人の藤牧敬三さんとパートナーの桃井さん、そして休日写真家の中緒さんご夫妻がいらして、シーンデザイン建築設計事務所の宮本圭さん、マンズデザインの太田伸幸さん、奥さんでガラス作家の相馬佳織さんを交えて、事務所で最後の宴会でした。
藤牧さんは、事務所のテーブルと椅子の作者です。もう10年ほど前に取材したことが縁で、長野で、塩嶺峠で、諏訪で、ときおりこうして宴席を開きます。
藤牧さんはとてもやさしくて繊細な家具をつくります。本人も、やさしくて繊細。たまに小動物みたいに挙動不審になることもあるけれど、芯の強い人。しばしば、「僕は木工作家ではなく、家具職人だから」と言いますが、その言葉が藤牧さんそのもの。松本民芸家具で学び、朝日村に工房を構えます。
さて宴席の翌朝のこと…起きてきた中緒さんが、「ここ、なにか…動物が…棲んでいませんか?」と。物音がするたびに、庭で珍事件が起こるたびに心を無にして約1ヶ月ほど過ごしてきましたが、やはりそうですか。。
せっかくなので、みんなで事務所のまわりをぐるり。ありますね、足跡とか、もろもろ。職人藤牧さんが、「裏はいいけど表とてっぺんに侵入できそうなところがあるね」と。そうですか、そうですか。幸い屋内では居住空間に降りられそうな経路はなさそうとのこと。
最近ひそかにフォックスさんと呼んでいるキツネは引っ越し当初から裏庭にいらしたのですが、キツネは家のなかに入るかな。
こんな話を誰にしても返ってくるのは「古い家だからね」。「広い家」に暮らす覚悟はしたつもりですが、そうですよね、市街地にほど近いとはいえ「古い家」に関して少し覚悟が足りなかったので、来年は少しずつ覚悟を形成していこうと思います。
ホームページを開設して以来、仕事のことから事務所のことまで徒然に綴ってきました。自分のことなんて書けないと思っていましたが、書き始めると日々気に留めること、日々考えることが増えて、なかなか良いものだと気づきつつあります。来年も少しずつ、綴っていこうと思います。(緒)