乾そば、侮ることなかれ
白衣を着て何をしてきたかというと、そばの審査会です。
長野県、長野県信州そば協同組合、長野県麺業協同組合が主催する「第61回信州そば品評会」に出席してきました。一昨年初めて出させていただき、なんて面白いんだろうと思ったものの、去年は休暇中につき泣く泣く断念。そして今回2年ぶり、2回目の参加となりました。
乾そば、半生そば、生そば、新規性の高いそばの4種5部門、112点のそばを26人の審査員が審査するというなかなかハードな品評会です。もちろん、そばつゆはつけません。ゆで方さんたちが各社の申告通りに厳密に茹でたそばを、5種くらいずつ食べ比べを繰り返します。もちろん、飲み込まずに吐き出します。食味審査は1回ないしは上位品のみで2回目の審査が行われることも。とにかく疲れます。つゆをつけたそばが食べたいという思いで、頭はいっぱい。
そんな大変な品評会ではあるのですが、ここで声を大にして言いたいのが乾そばの驚くべきおいしさ。へたなそば屋さんのそばよりおいしいと言ってしまうと角が立つかもしれませんが、過言ではないかもしれません。正直、わたしも品評会に参加するまで、乾そばを買うことはありませんでした。しかし…。
乾そば、侮ることなかれ!
なかなかその事実を知る人は少ないのではないでしょうか。おいしいんです。香りが高く、喉越しが良いものがたくさんあるのです。ほかの審査員のみなさんのなかには、お中元やお歳暮は必ず乾そばにして普及活動をしていますという方も多々。一昨年参加して感動した以来、機会があるごとに言ってきたつもりでしたが、もっともっと伝えなくては。
乾そばは、とてもおいしい!
お隣に座った製粉業者さんいわく、製粉の技術も格段にあがっていて、ここまで緑の美しいそばができるようになったことはすばらしいと。逆のお隣にいらした栽培農家さんは、「信州そば」の定義を確立するためにも原材料の表示やそれに応じた部門わけも検討すべきと。どんどん成長しているし、これからどんどん洗練していくことができる、そんな可能性を感じました。
今回の品評会の結果は11月27日にリリース。どうぞ、お楽しみに。(緒)
(わたしがおいしいと思ったそばは、どこのそばだったんだろう。それがわからず仕舞いなのが審査員としてはちょっと残念…)