飯山仏壇の飾金具職人さん

先日取材した飯山仏壇の飾金具をつくる、鷲森金具の鷲森敏男さんから1本の電話。掲載した写真を大層気に入ってくださったようで、写真を大きく伸ばして印刷して額装してほしいと。できれば、掲載している笑顔の写真と、手元の写真を同じ大きさで、ひとつの額に入れてほしいと。自分の工房に飾っておけば、それをみるたびにまた仕事が頑張れるし、仕事をしながら、こんな笑顔もできるんだ、逆にこんなに真面目に仕事もできるんだって思えるでしょうと。
 
鷲森さんは伝統工芸士で信州の名工。写真でうまく笑えなくって…とおっしゃいますが、ストイックな職人仕事とは裏腹に、笑顔の絶えない朗らかな人。カメラマンの平松マキちゃんの腕がいいのはもちろんですが、鷲森さんが積み重ねてきた努力が醸す空気感や、職人ならではのものをつくってきた指先、使い込まれた道具など、すべてに気持ちや時間が宿るからこその写真。
 
なのにどこまでも謙虚で、かといってもちろん卑屈ではなく、どこまでも自然体。でもつくるものは圧倒的な技術と感性に裏打ちされた美しいかたち。
 
電話を切って、こういう人になれたらいいのになあとしみじみ。
 
さて、さっそくマキちゃんに写真の相談を、守屋さんに額装の相談をしなければ。(緒)