金紋錦サミット2018
9月16日に4年目となる金紋錦サミットを菅平高原で開きました。
金紋錦とは、長野県で栽培される日本酒の酒米。木島平村のみで栽培されてきたこのお米でつくるお酒がとてもおいしいねえという話になり、トドロキデザインの轟久志さんと「サミットやろう」となったのが2014年のこと。そのときは80人くらいの方にお集まりいただき、長野駅前で開催しました。
今回、集まってくださったのは30名。田中屋酒造店(水尾)、土屋酒造店(亀の海)、佐久の花酒造(佐久乃花)、岡崎酒造(亀齢)、沓掛酒造(福無量)という4つの蔵元さんにもご参加いただき掲げたテーマは「金紋錦自由化」。ここにきて木島平だけではなく県下各地で金紋錦が栽培できるようになり、醸造する酒蔵もぐんと増えたのです。
パネルディスカッションでは金紋錦がさらなるブランドとして伸びていくにはというお話がメインとなりました。水尾の田中隆太さんや、佐久乃花の高橋さんからは、「木島平というブランドはもちろん大切だけれど、そこだけで囲うのではなく、県下各地で作ることで切磋琢磨し、よりよい米・よりよい日本酒ができ、さらに価値は高まるはず」というお話をいただきました。
実際、亀の海の金紋錦の栽培地は、食米の名産地・五郎兵衛新田で栽培されていて、否応もなくその出来栄えには期待がかかります。 しかしながら、木島平と五郎兵衛新田、両方の金紋錦を使ってきた土屋さん曰く、「同じ品種かと思うほど2つの地域で違うことがある」と。酒造りはある意味「化学」で説明がつくけれど、農業は気候や栽培方法、農家の取り組み方などなど、見えないファクターがありすぎると。
だからこそ、「ひとつの酒米、そこからつくる酒の良し悪しを判断するのに少なくとも10年はかかる」という話も出ました。蔵人たちが酒造りに励むのが50年だとして、そのうちの10年とは…。そこにきて、長野県が新たに開発された山恵錦という酒米も、試験醸造を経て本格導入となっています。土屋さんは「大変な商売ですよ…」とうなだれるも、それでもお酒のことを話す土屋さんはとても楽しそうで言葉が止まらなくて、見ていてちょっと微笑ましい。
飲み比べはなんと、とある酒蔵の同スペックの金紋錦の2011BYから2017BYまでをブラインドで縦飲み!贅沢!どれが好みか投票しました。金紋錦は熟成に向くと言われていますが、好みの熟成具合は分かれていて、こちらも興味深いものでした。
あとはもう、宴。朝3時まで、宴。飲みっぱなしの、宴。
個性あふれる参加者の日本酒愛など、書きたいことはまだまだ山盛りの充実した会だったのですが、そうはいってもこのへんで。(緒)
左から沓掛さん(福無量)、土屋さん(亀の海)、岡崎さん(亀齢)、高橋さん(佐久乃花)、田中さん(水尾)
30本を超える金紋錦のお酒たちで宴。やかんは轟さん特製。ほしい
四季の宿まさきの正木さんのお料理。すべて下味が異なります。美味
土屋さんはお誕生日につきサプライズでお祝い。いい笑顔